古伊万里のモダン-華麗なるうつわの世界展 萩美術館・浦上記念館

現在、萩美術館・浦上記念館では6月23日(日)まで「古伊万里のモダン-華麗なるうつわの世界展」を開催中です♪

今回の企画展について、学芸員の市来真澄(いちきますみ)さんにお話を伺いました!

華麗な金襴手から文明開化を象徴する文様まで、幅広い作品を堪能

本展覧会では、兵庫陶芸美術館が所蔵する赤木清士コレクションをもとに、伊万里焼の魅力を紹介。赤城コレクションは、明治時代以降の伊万里焼が充実しているという特徴があり、おもしろい作品がたくさんあるんだそう!

江戸時代から明治以降の伊万里焼の違いや変化がよくわかる内容となっています。

見どころ

第1章~第3章までの3部構成の本展覧会。各章の特徴を教えていただきました!

  • 第1章:古伊万里金襴手の世界
    金色の色絵具で華やかに彩られた、古伊万里の中でも特にきらびやかな「古伊万里金襴手」を展示。当時のヨーロッパへの輸出用として作られた豪華な作品を鑑賞できます。

 

  • 第2章:華麗なる古伊万里の展開
    江戸時代中期から明治以降までの作品を紹介。流行を取り入れながら変化していく古伊万里のデザインの面白さを探ります。

 

  • 第3章:新しい装飾技法
    明治維新以降、文明開化の影響を受け、ガス灯や鉄橋、電線など新しい時代の息吹を感じさせる文様が描かれた作品を展示。新しい色彩や技術の導入による表現の変化を楽しめます。

注目作品

注目作品についても、市来さんが詳しく解説してくださいました!

色絵花盆文大皿

色絵花盆文大皿:17世紀末~18世紀初頭の作品。直径55cmの大皿に、西洋風の文様が紺色、赤、緑、金色の色絵具で華やかに描かれています。

なんとゴージャス!生でみると、その大きさに圧倒されます。色鮮やかでとても美しい。ヨーロッパでは室内装飾として使われていたそうですが、納得です。

大阪鉄橋図大皿

大阪鉄橋図大皿:明治時代初期の作品。直径47cmの大皿に、当時大阪に架けられた鉄橋「高麗橋」と、文明開化の象徴であるガス灯、電線、人力車、洋服を着た人々などが描かれています。

こちらも大きな作品ですが、先ほどの大皿とはテイストががらりと変わりました!ガス灯や電線などなど…ぎゅっと詰め込まれていて、日本に新時代が訪れた嬉しさや誇らしさのようなものが感じられました。デザインもモダンな感じで、素敵です。

個人的注目作品

私の素人目でみた注目作品もご紹介させてください(笑)

伊万里焼の日本人形!艶やかでとっても美しいです。器が並ぶなか、異彩を放つこちらの作品に目を惹かれました。市来さんによると、こちらはなんと花瓶になっているんだそう!一輪のお花を、この女性が抱きかかえるようなつくりになっています。素敵なアイデアです。

たくさんの小皿たち!1枚1枚、すべて違うデザインになっています。市来さんによると、世界の様々な人が描かれているそうです。たしかによくみると、とっても手足が長い人とか、なんだかシュールな人々が描かれています(笑)1枚1枚じっくり眺めて楽しめそうです!

学芸員による作品解説

毎週日曜日は萩美術館・浦上記念館の学芸員さんによる作品解説を11時~12時まで実施!
伊万里焼の作り方や歴史など、いろいろな視点で解説してもらえます。鑑賞のポイントも教えてもらえるので、倍楽しめること間違いなしですよ!

事前申し込みは不要で気になる方はどなたでも参加可能です♪

時代によって移り変わる様が大変興味深かったです。

文様や形が様々で、たくさんの作品を見比べることができてとても楽しかった~!

みなさんも、古伊万里や伊万里焼の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

市来さん、本日はありがとうございました!

萩美術館・浦上記念館【古伊万里のモダン―華麗なるうつわの世界展】

古伊万里のモダン―華麗なるうつわの世界 | 毎日新聞社

開催日:2024年4月27日(土)~6月23日(日)

開館時間:午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)

休館日:5月13日(月)、20日(月)、27日(月)、6月10日(月)、17日(月)

問い合わせ:0838242400 (山口県立萩美術館・浦上記念館)

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