山口県が誇る伝統工芸のうちの一つ…萩焼。
萩市で作られているイメージをお持ちの方が多いと思うのですが(私も萩焼き=萩産の印象でした)…実は山口市宮野にも窯元が有ることをご存じでしたか(*^▽^*)?
それも設置されたのは明治時代という長~い歴史を重ねてきた、由緒ある伝統的な登り窯。
この窯を使って花器や香炉、大皿からお茶碗などなど様々な器を作陶されていらっしゃるのは大和 春信松緑窯元 陶芸家の大和稔先生です。
そもそも萩焼というものは現代から400年余前…かの豊臣秀吉の政策、朝鮮出兵によって、その歴史が始まったそうです。秀吉とともに朝鮮に渡った初代長州藩藩主の毛利輝元が李勺光、李敬兄弟を連れて帰国。李兄弟に申し付けて萩市の松本に藩御用窯を築いたことが萩焼誕生のルーツだと言われています。そこからまた更に時が経ち、明治14年…萩の東光寺窯の職長に、大和稔先生のご先祖さまである大和作太郎氏が任命されました。作太郎氏は吉田松陰に因み、雅名を「松緑」として松陰先生の生誕地傍に松緑窯を構築。明治23年、山口市の豪商にその腕を買われた作太郎氏は山口焼の職長として山口市に招致されました。現在の宮野地区で良質な陶土が取れたことから宮野に天秤式の登り窯・松緑窯を築き、二世、三世、四世、五世…と令和の今日では作太郎氏の想いを受け継いで、大和稔先生がご先祖代々の窯を守ってこられています。
趣ある日本家屋にある大和先生のギャラリーには100点を超える作品が惜しみ無くズラリと鎮座されていましたが…その全てが、壮大な歴史ドラマを経て、ストイックに修練された職人の技術でもって貴重な土を使用して作陶されたお品だと思うと、なんだか感慨深いものがありますね。
“使えるモノ”である前に“見せるモノ”を作るという先祖代々の矜持を大切にされている大和先生のギャラリーですが、こうしてカジュアルに普段使いできそうなお湯飲みや可愛らしい小皿もありましたよ(^^♪
橙色と茶色が混ざり合ったような独特の落ち着いたマットな風合いが萩焼の特徴ですが、緋色(スカーレット)と呼ばれるこの色は大量の薪をくべてくべてくべて…窯内を1000~1500℃という大変な高温に整えて、初めて発色する色なのですって!これは炎そのものの色を器に「焼き付けて」いるからこそ表現できる色。余熱合わせて30時間前後もの時間をかけてじっくりと焼き付けるなど、これだけの手間を掛けても思ったような発色にならない場合もあるということですから、ものづくりの世界というのは究極に厳しい世界ですよね…!そのおかげさまで、私たちはこんなに素敵な器をお迎えできるわけですが(*´ω`*)
…と、萩焼について歴史から特徴までご紹介しましたが、これは全て大和先生の受け売り◎
ギャラリーではこうして、萩焼に興味はあるけど意外と詳しいことまでは知らないなぁ…という方にも大和先生が萩焼や窯について色々レクチャーしてくださいます。といっても全く堅苦しい話ではなく、本当に穏やかに丁寧に笑いも交えながらの一時。県内外で焼き物の講師を務められているだけいらして、ご説明もとっても分かりやすいですよ!
大和先生の作品はオンライン購入も可能ですが、で、できれば瀬来個人としては大和先生のお人柄に直接触れられて、大和 春信松緑窯で焼き上げられた萩焼に、より愛着を持ったお心持ちで入手していただきたい…!と思います。ギャラリーには間も無くやってくる父の日のギフトにもピッタリな萩焼が並んでいますよ〜。
是非お電話でご一報入れられてから、世界に一つの地元の工芸品の魅力に触れに行ってみてください(#^о^#)
★大和 春信松緑窯★
山口市 宮野上3630
TEL…083-928-0460